たばこを吸わない大学生が増えている。受動喫煙を防ぐ取り組みを求める2003年施行の健康増進法を機に、構内を全面禁煙にする4年制大学は全体の約4分の1に増えた。一方、禁煙後にトラブルがあり、分煙に戻す大学もある。

 正門前に「構内全面禁煙」という看板を掲げる創価大学(東京都八王子市)は、11年度から週3回、「卒煙」相談を設けている。狙いは「全面禁煙の環境づくり」だ。

 希望者に原則1週間分のパッチを無料配布する。3カ月禁煙が続けば、「成功」だ。これまで52人が禁煙に取り組み、4人が達成した。その一人、4年生の男子学生(22)は「1日1箱吸っていた。同年代では喫煙者が少なく、飲み会で自分のためだけに喫煙席を頼むのは気が引けた」と話す。2年生の女子留学生(21)も禁煙に挑戦中だ。「たばこを吸うために、休み時間を使って校外に出るのがもったいないと思った」と言う。

 創価大が全面禁煙にしたのは13年だが、事前に学生数約6千人という同規模の大学で全面禁煙に取り組んでいた岩手大を視察したという。企画広報課の担当者は「全面禁煙反対者の意見も聞いた上で、納得してもらうのが肝心。一定数は必ず喫煙者はいるので、試行錯誤の連続です」と話す。

 崇城(そうじょう)大学(熊本県)は11年度から薬学部について、「入学者は非喫煙者とする」と要項に明記している。受験生の多くは喫煙が法で禁じられた10代だが、浪人生ら成人を想定。入学後もたばこを吸わないことを前提としている。要項に反しても明確な処分はないが、「薬剤師は健康増進、病気の予防が仕事。学生も喫煙してほしくないという大学の意思表示」と担当者は言う。崇城大によると、因果関係は不明だが、その後受験者数は増えているという。

 喫煙する大学生は全国的に減っている。就職情報大手マイナビが昨年12月11~14日、インターネットで行ったアンケートでは、20歳以上の大学生の男女399人のうち、9割の359人が「喫煙しない」と回答した。理由は「たばこのためにお金を使うぐらいなら別のことに使う」(宮城県の大学院生の男性)、「将来の職業的に吸うべきでないし、健康に悪いから」(石川県の大学2年の女性)など。吸う派は「気分転換に」という声が大半だった。

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