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 最も身近な犯罪の一つ、ひったくりは被害者の多くを女性が占める。被害を防ぐにはどうすればよいのか。ひったくりを繰り返したとして、福岡地裁で公判中の男が朝日新聞記者の取材に応じ、加害者から見た被害抑止のポイントや更生への思いを語った。

 福岡拘置所(福岡市早良区)の面会室。男は職員に連れられて入室すると、透明な仕切り板の反対側に腰かけた。がっちりした体格で、ジャージー姿に伸びかけた短髪。記者を真っすぐ見て早口で語り出した。

 30歳の飲食店従業員。早良区で女性のかばんをひったくったとして昨年10月に逮捕された。その後、別のひったくりと合わせ、より罪の重い常習累犯窃盗罪で起訴された。「償いのために手口を全部話す」と、昨年12月以降に計5回、勾留先の同拘置所で記者との接見に応じた。

■イヤホン・車道側にバッグ―その油断狙う

 中学生の頃からひったくりを繰り返し、ほとんどの期間を少年院や刑務所で過ごした。施設の外にいたのは計2年弱。狙ったのはもっぱら女性だ。「顔を見られたくない」と、人通りの少ない脇道で主に夕方か夜に盗んだ。バイクで近づき、「油断している女性から、一瞬に」をめざした。

 最初に注目したのは耳。イヤホンを付けていると、エンジン音が聞こえにくい。いったん背後から通過し、エンジン音に振り返るそぶりがなければ「警戒心が薄い」と判断した。

 バッグを車道側の手で持っていれば、後ろから近づき、真横でいったん止まる。バッグを真下にさっと引いて、逃げた。けがを負わせると、より罪の重い強盗致傷罪に問われるため、「ひきずってけがをさせないよう心がけた」。

 バッグを肩から斜めがけしたり、脇を締めて車道とは反対側に持ったり、手に巻き付けるように持ったりすれば狙われにくいという。

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