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 各地の反原発運動で住民側を支援してきた京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)の科学者グループ「熊取6人組」の一人で、最後の現職だった今中哲二助教(65)が28日、同実験所の退職講演を行った。今年度末で定年を迎える。

 実験所に助手として着任した1976年から約40年間、広島・長崎の原爆放射線量の研究、86年に起きたチェルノブイリ原発事故の調査などに取り組んだ。チェルノブイリは二十数回足を運んだ。「向こうの研究者と会い、面白い研究があったら発表した。いい仕事ができたと思う」と振り返った。

 東京電力福島第一原発事故後に現地調査した福島についても言及。「住めるのか住めないのかゼロイチで答えることは無理だが、リスクがあることをはっきり言うことが必要だ」と、専門家の役割を訴えた。

 原子力の問題を一般の人と議論するため、80年から同グループが自主的に続けてきた「原子力安全問題ゼミ」の最終会合が、2月10日午後2時から、同実験所で開かれる。希望者が定員を超え、申し込みは締め切っている。(佐藤建仁)