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 江戸時代、朝鮮王朝から日本に派遣された朝鮮通信使。3月にも国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に関連史料を共同申請することに日韓の関係者が合意した。歴史認識などで両国間の摩擦が絶えない中、通信使を招く交渉に関わった長崎・対馬と韓国・釜山を結ぶ民間交流の積み重ねが道を開いた。

 1月29日、日本側の推進団体「朝鮮通信使縁地連絡協議会」(縁地連)と韓国側の団体が長崎県対馬市に集まり、111件333点の史料を共同申請する書類に署名した。縁地連の理事長、松原一征さん(70)=福岡市=は「朝鮮通信使は今や日韓友好のシンボル」と、感慨深げに20年以上の取り組みを振り返った。

 松原さんは対馬出身で対馬と福岡を結ぶ海運会社の社長。1990年、韓国の盧泰愚大統領(当時)が朝鮮通信使の時代の外交に触れたスピーチを聞き、ある思いに突き動かされた。