[PR]

 スイスの検察当局は29日、マレーシアの政府系ファンド「1MDB」に関係する複数の国有企業から総額40億ドル(約4800億円)が不正に流用された可能性があると発表した。1MDBをめぐっては、マレーシアの司法長官が公金流用疑惑に揺れるナジブ首相の関与を否定するなど幕引きを急ぐが、疑惑追及の動きは収まりそうにない。

 1MDBに関連する銀行口座がスイスにあることから、スイス検察が口座を凍結し、昨年8月から資金洗浄などの疑いで捜査を続けていた。検察の発表によると、1MDBの元職員2人を含む複数の人物が捜査の対象になっている。ナジブ首相も含まれているかは明らかにしていない。

 2009年から13年にかけての1MDB周辺の取引のうち4件を捜査中。これまでにマレーシア政府の元職員、アラブ首長国連邦(UAE)の現職や元職員らが保有するスイスの銀行口座に1MDB絡みの不透明な資金が送金された事実を突き止めたという。

 スイス検察は29日の発表文で「マレーシアの国有企業から資金が不正に流用されたことを示す重大な兆候をつかんだ」と指摘。「複雑な金融の仕組みを利用して(不正行為が)組織的に実行された」としている。

 検察はマレーシアに捜査への協力を要請する方針も表明した。これに対し、マレーシアのアパンディ司法長官は30日、「我々は可能な限り追跡捜査し、スイス当局と協力していく」とのコメントを発表した。

 1MDBに関しては、昨年7月にナジブ氏が同ファンドから7億ドル(約840億円)近い資金を不正に受け取った疑惑が浮上した。野党などはナジブ氏に首相辞任を求めるが、アパンディ長官は26日、ナジブ氏の個人口座への入金は「サウジアラビア王室からの寄付」とする反汚職委員会(MACC)の捜査結果を発表。1MDBが絡んだ汚職との見方を否定し、捜査の打ち切りを宣言した。

 ただ、アパンディ長官は違法性を否定した根拠など詳細を説明していない。ナジブ氏は真相解明を求めた副首相を更迭するなど自身への批判を封じる姿勢を強めており、「強引な幕引きを図っている」との批判も国民の間に出ている。(シンガポール=都留悦史)

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら