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 昨秋のラグビーワールドカップ(W杯)イングランド大会で活躍した五郎丸歩選手が、キック前にする独特の手を合わせるポーズ。これにそっくりな形をした「大威徳明王(だいいとくみょうおう)像」の展示が30日、和歌山県新宮市阿須賀1丁目の市立歴史民俗資料館(阿須賀神社境内)で始まった。

 展示品は、銅鏡の表面に仏像を彫り込んだり、銅製の仏像を張り付けたりした「御正体(みしょうたい)」というもの。1959年の伊勢湾台風で倒れた神社の境内の巨木の根元やその周辺から、平安時代末~室町時代中頃の約200点がみつかり、その多くが大威徳明王の像だった。今回、保存状態のいい17点が並んでいる。

 大威徳明王は六面六臂(ぴ)六足(顔、手、足が六つ)で水牛にまたがっているのが特徴。17点のうち、腕が欠損した2点を除くとほとんどが両手を胸の前で組んでいる。とりわけ鎌倉時代作の像高29・3センチのものは指をくっつける形が「五郎丸ポーズ」にそっくりだ。

 「五郎丸選手がくっつけるのは人さし指、銅像は中指と微妙に違っているんですが」と市教委の担当者。京都の東寺や醍醐寺の大威徳明王像も同じような五郎丸ポーズをしている。

 近隣に仏像の鋳造遺構はないため、担当者は「熊野詣をした京都の人が奉納したのでは」とみている。

 企画展「新宮のゴロー丸!?~阿須賀神社と大威徳明王」は3月31日まで(月曜休館)。大人210円、小中学生100円。市教委は「地元の文化財をぜひ知ってほしい」との考えから市広報2月号に入館無料券をつけている。(東孝司)