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 日本銀行の「マイナス金利政策」の導入決定を受け、預金の金利を引き下げる金融機関が早くも出始めた。市場での金利が下がり、銀行は「利ざや」の確保に動いており、期間の短い定期預金の金利を普通預金と同じにする銀行も現れた。一方、東京株式市場は、1日もほぼ全面高となった。

 横浜銀行と八十二銀行(長野市)は1日、1年以下の定期預金の金利を0・005%幅下げ、年0・020%にした。普通預金の金利はともに年0・020%で、1年以下なら、定期預金で預けても利点はないことになる。両行とも「市場金利の低下に連動して見直した」とする。

 りそな銀行も1日、満期2~5年物の定期預金の金利を0・005%~0・025%幅引き下げ、年0・025%にした。インターネット専業のソニー銀行は1日、年0・020%だった普通預金の金利を大幅に引き下げ、年0・001%に。10万円を1年間、普通預金に置いたままだと、1円しか利息がつかない。

 大手行も「早急に対応を検討する」(みずほ銀行)などとしており、追随する銀行も出てきそうだ。

 静岡銀行はインターネット専用のネット支店で1月30日から、2月末までの予定だった定期預金のキャンペーンの受け付けをやめた。10万円以上を預けた場合、年0・330%の金利をつけるものだったが、「金利情勢の急激な変動で、適用金利を見直すため」という。

 運用商品の受け付け停止も相次ぐ。大和証券投資信託委託など資産運用会社は1日までに、国債などで運用する一部のファンドについて購入の申し込みを停止すると相次いで発表した。「マイナス金利政策の導入を受け、安定的な運用が困難になる可能性がある」(三菱UFJ国際投信)としている。一方で、すでに低水準にある住宅ローンを借りる際の金利も今後、さらに下がる可能性がある。

 こうした動きが相次ぐのは、金融機関が預金金利などを決める際に目安とする長期金利が、日銀の決定を受けて急低下しているからだ。マイナス金利導入は16日からだが、1日の東京債券市場では、今後、国債の利回りが低下(価格は上昇)すると見込んだ投資家が国債を買い進めた。長期金利の指標となる満期10年の新発国債の流通利回りが前週末の終値より一時0・045%幅下がり、過去最低の年0・050%をつけた。

 1日の東京株式市場は、日経平均株価が2営業日続けて値上がりし、前週末終値より346円93銭(1・98%)高い1万7865円23銭で取引を終えた。日銀の決定で、円相場が1ドル=121円台まで円安に振れ、電機や機械などの輸出関連株を中心に買いが膨らんだ。「(日銀の決定は)インパクトが相当あった。企業収益は押し上げられ、日経平均が近く2万円を超えるのは確実だと思う」(大手証券首脳)との声も出ている。(久保智、山下龍一)