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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡り、沖縄県は1日、国を相手取った新たな訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。沖縄と国との間で進む裁判は計3件となり、国と県が準備していた法廷闘争が出そろった格好だ。

 3件はいずれも、昨年秋の翁長雄志(おながたけし)知事による辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐる訴訟。今回の提訴は、埋め立て承認取り消しの効力を国が停止したのは違法として、その取り消しを求める内容だ。

 これまで、翁長氏に承認取り消しを撤回するよう国が求めた「代執行訴訟」と、国土交通相が承認取り消しの効力を停止した決定を取り消すよう県が求めた「抗告訴訟」が提起されていた。新たな提訴について翁長氏は1日、「淡々と沖縄の主張をしていく」と記者団に語った。第1回口頭弁論は15日に開かれる。

 県は昨年、国の第三者機関「国地方係争処理委員会」に、今回の提訴と同様の申し出をしたが、「国交相の判断は一見、明白に不合理とは言えない」として却下された。このため、不服のある場合は提訴できるとした地方自治法の規定に基づいて提訴した。

 訴状によると、沖縄防衛局が行政不服審査法による審査請求を行い、国交相がそれに応じて承認取り消しの効力を停止したことについて、県は「『私人』ではない沖縄防衛局の審査請求は不適法で、国交相が却下せずに停止決定をしたのは違法だ」と主張。さらに、国が代執行手続きを進めながら、別の手続きで効力停止を行ったのは、審査法の目的外利用だと指摘。決定を取り消すよう求めている。(吉田拓史)