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 総務省消防庁は3日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に備え、発射情報を全国の自治体に伝える全国瞬時警報システム(Jアラート)の伝達訓練を5日午前11時に行うと発表した。北朝鮮が「衛星打ち上げ」として示している飛行経路にあたる沖縄県の41市町村は、防災行政無線などを自動起動させ放送するテストを行う。それ以外の全都道府県と全市区町村は受信機の受信確認をする。

 Jアラートは、人工衛星を使い、全国の自治体に緊急情報を伝えるシステム。ミサイルやテロの情報のほか、緊急地震速報や特別警報などの防災情報を市区町村に伝え、防災行政無線などを自動的に起動させ、住民に伝える。

■気をもむ自治体

 北朝鮮が事実上のミサイル発射を国際機関に通告したことを受けて、飛行経路に近い地域の自治体は対応に追われている。

 北朝鮮の通告通りの飛行経路ならば、ミサイルの2段目ロケットが上空を越えることになる沖縄県宮古島市は3日、緊急事態連絡室を設置した。同じ先島諸島の石垣市や、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)が配備されている航空自衛隊那覇基地のある那覇市なども3日までに警戒本部を立ち上げた。情報収集を強化したり、全国瞬時警報システム(Jアラート)の稼働状況を確認したりしている。

 4日午前には、防衛省や内閣府の担当者が県庁を訪れ、県や各市町村への説明会を開く予定だ。2012年に北朝鮮がミサイルを発射した際にPAC3が配備された石垣市の担当者は「心配はしているが、今のところ情報や指示はない。(国の)説明を聞いて対応を検討していく」。

 東シナ海に面する長崎県では3日、部品が落下する恐れがある航行危険区域を示す「漁業安全情報」が、各漁協に周知された。県によると、県内の漁協に所属する漁船の多くは沿岸部で漁をするが、発射に関する情報があった場合、すぐに県内の全68漁協にファクスで伝達。各漁協が出漁中の漁船の安全確認などを進めるという。県危機管理課には、職員が交代で24時間常駐し、8日以降の発射予告時間帯は4人が常駐する。

 第7管区海上保安本部(北九州市)や第10管区海上保安本部(鹿児島市)も3日、対策本部を設置して不測の事態への即応態勢を強化し、管内を航行する船舶に警戒を呼びかけ始めた。

 鹿児島県は7日夜から、福岡県は8日朝から、それぞれ24時間態勢で職員を配して警戒を強める予定。国から自治体に災害やテロ、ミサイルの発射情報などを伝える「緊急情報ネットワークシステム(エムネット)」やJアラートを使って情報を集め、必要に応じて防災メールなどで市民に知らせる構えだ。