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 海上自衛隊呉基地(広島県呉市)に停泊中の潜水艦で3年前、拳銃自殺を図った坂倉正紀2等海尉(42)=山口県宇部市=の両親が3日、国を相手に3500万円の損害賠償を求める訴えを山口地裁に起こした。自殺未遂は上官の暴力でうつ病になったことが原因などと主張している。

 訴状によると、坂倉2尉は2000年に入隊。上官に殴られたり蹴られたりして13年7月ごろ、うつ病になり、同年9月2日、潜水艦「そうりゅう」で拳銃自殺を図り、首に大けがをした。いまも寝たきりで、原告側は上官の暴力でうつ病を発症し、拳銃自殺に至ったとして「安全保証義務の不履行」を主張している。

 会見した坂倉2尉の兄孝紀さん(45)は提訴の理由について「暴行を働いた者への怒りとともに、自衛隊を暴力のない、働きやすい職場にしなければと思ったからでもある」と述べた。

 提訴を受け、武居智久・海上幕僚長は「提訴に至ったことは非常に残念。引き続き事故防止に全力で取り組む」とコメントした。

 海自側は昨年10月、暴力を伴う指導をしたとして40代と30代の幹部自衛官2人をそれぞれ停職10日と停職2日とするなどの処分をした。海自側は当初、処分について「家族の同意が得られていない」と公表していなかったが、先月14日になって発表。原告側は「家族が公表を望まなかったという事実はない」と反論している。(野平悠一)