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 廃棄カツは1万枚以上が弁当店に横流しされ、おかずに使われていた。300円を切る安さを競い合う格安弁当。その食材に、廃棄品がなぜ紛れ込んでしまったのか。舞台裏を探った。

 平日の昼時。名古屋市の繁華街にある弁当店に、空揚げやカツ、焼き魚など24種類の弁当が並んだ。すべて税込み270円だ。

 「安いし、毎日きても飽きない」と常連の男性(55)。サラリーマンやタクシー運転手が次々に訪れ、弁当の山がなくなると、厨房(ちゅうぼう)からすぐに補充される。

 経営者によると、弁当の原価は「40~45%以内が目安」という。1個当たり120円程度で、ご飯、付け合わせ、容器代などを差し引くと、メインはその半分「60~70円に抑えたい」。

 その日に安く仕入れられた食材でメニューを考える。食材費がかさんだ時は量を減らし、ソースやカレーをかける。

 賞味期限が近い、形が整っていない、在庫処分など「訳あり品」も仕入れる。今回、この店に廃棄食品は流れてこなかったが、経営者は「見た目でおかしなところがなければ、見抜けなかったかもしれない」と話す。

 愛知県稲沢市の産業廃棄物処理業ダイコーが横流しした廃棄食品。愛知、岐阜、三重の3県などによると、カレーの壱番屋の冷凍ビーフカツだけで、約1万6千枚が弁当店に売られていた。

 税込み290円の弁当を売る愛知県瀬戸市の「俺の弁当」。経営者の角田幸吉さん(65)は昨年12月中旬、1枚40~45円で、この冷凍カツを35枚購入した。「牛のカツは普通180円くらい。普段は扱えない高級品」。即決だった。

 だが、試食すると、味が薄い。衣に氷がついており、いったん解けたのではと不安を感じて、客には出さず、まかないに使った。「卸に出どころは聞かないのが暗黙のルール。安けりゃ何でも買い手がつくだろうと、流通に乗せられたのだろうか」と憤る。

 愛知県西部の別の弁当店は問題のカツ400枚を1枚75円で仕入れ、弁当に使った。おかずを日替わりにするため、10近い卸業者と取引する。数十の小さな単位でも売ってくれ、頼りにしていた卸業者から薦められたのが、今回のカツだった。「規格外品など大手メーカーの商品は、たまに来る。信頼してしまった」。今後、気になる食材の流通経路は卸業者に問い合わせるつもりだ。(中村真理)