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■キャンプの素顔

 楽天の久米島キャンプ恒例だった朝の声出しが、2年ぶりに復活した。

 「元気なイーグルスを見せたい」と梨田監督が提案した。一年の計はキャンプにあり――。チームはもちろん、選手にとっても目標を再認識するいい機会だ。声出しは、それを仲間に公約すること。4日の朝、初めて1軍キャンプに参加する4年目下妻の声は、裏返りかけた。緊張するのは当然のこと。でも、理由はそれ以外にもあった。

 今年のトップバッターは野手最年長の松井稼だった。昨年11月にはすでに梨田監督から通達を受けた。準備は万全だったが、雨で2日も順延に。3日朝、やっと実現した。

 「おはようございまぁす! プロ23年目! 今年41歳! 肉体は伊志嶺よりもまだまだ若い、松井稼頭央です!」。海に向かって、新人選手のように声を張り上げた。

 ハイライトは最後に用意していた。ジャージーの上着を脱ぎ捨てる。40歳とは思えない筋骨隆々の腕や肩、そして「ゴールドジム」の白いタンクトップを見せつけ、空に叫んだ。「今年はこれを着てビールかけがしたいでーす!」。砂浜に大爆笑が響いた。

 さすが、大阪出身。期待を裏切らない演出に、「簡単には終われんよ。秋から言われとったんやから」。4年ぶりの声だしを終え、ほっとした表情で言った。「あー、やっと眠れるわ」。後に続く選手から「ハードルがあがった」と嘆きの声があがった。

 2日間で7選手の声出しを見て、思った。みんなが「もっと面白いことを」と競争心を持てば、雰囲気はどんどんよくなる。何より、海に向かって叫ぶ姿には2年連続最下位に沈んだ負い目などみじんも感じない。楽天の選手は、しっかりと前を向いている。(小俣勇貴)

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