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 世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言した感染症「ジカ熱」の拡大を受け、最多の感染者を抱えるブラジル政府は3日夜、テレビとラジオの全国ネットで、ルセフ大統領が蚊の駆除の協力を全国民に求める演説を放送した。ルセフ氏は「ブラジルは強い。蚊にもウイルスにも負けないことを証明しよう」と呼びかけた。

 同国では昨年からジカ熱が流行。妊娠中の女性が感染すると、脳の発達が不十分な「小頭症」の新生児が生まれる危険が指摘されている。小頭症と確認されたり疑いがあるとされたりした事例は約4千件に上る。

 ルセフ氏は「ジカウイルスは、遠かった悪夢から真の脅威となった」と強調。「妊婦を守るため、できる限り全てのことをする」と力を込めた。13日には軍22万人を動員し蚊の駆除にあたることも明らかにした。

 経済が低迷するなか、ブラジルでは昨年からルセフ政権の支持率が10%前後に低迷している。ルセフ氏は3日の放送で「政治の話でも経済の話でもない」と前置きしたが、演説が続いている間も、街角では市民がベランダなどに出て、「(ルセフ大統領は)やめろ」と叫んだり、一斉に鍋をたたいたりして抗議する姿が見られた。(サンパウロ=田村剛)