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 球春が到来した。最近は春季キャンプが始まる2月1日を待たずに、各選手が「自主トレ」という名目で練習を始めているので、「キャンプ解禁」という言葉がインパクトを持たなくなっているのも事実だ。

 だけど2月1日は、2月1日だ。今季、チームと個人の成績を大きく左右する約1カ月の合宿が始まった。何より1月31日の夕食後に各球団が行ったミーティングはとりわけ大きな意味を持つ。

 監督が今年のチームの目標、戦略、各自の役割など様々な方針を自分の口から選手やスタッフに伝える。これがキャンプの最も大切な儀式と言っていい。

 突き詰めると、プロ野球というチームスポーツの目標は「優勝」しかない。この目標を達成するために、キャンプで厳しい練習に取り組まなければならない。この意識をどこまで選手に伝えることができるか。これこそ監督の技量なのだと私は思う。

 さて、今季の春季キャンプで注目している球団がある。アリゾナ州ピオリアでキャンプを張っている日本ハムだ。なぜ、わざわざ米国にまで足を伸ばすのか。このチームに若い選手が多いことが関係しているように思う。

 私も24歳のオフ、球団の計らいでアリゾナ州フェニックスであった教育リーグに派遣された。翌年の春にはチームで同州トゥーソンであったインディアンスのキャンプ地に行かせてもらった。さらに、この年のオフには、フロリダ州にあるパイレーツのキャンプ施設でトレーニングを積んだ。

 見るものすべてが新鮮だった。米国のキャンプ地のスケールの大きさと充実ぶりに圧倒された。そして、何より刺激を受けたのは、大リーグを夢見る同世代の選手たちが必死になって練習に取り組む姿。それは「しがみつく」という言葉を思わせるほどすさまじかった。

 伸び盛りの年齢で、本当に貴重な経験をさせてもらったと、今でも思っている。

 今回の日本ハムのキャンプが、若い選手に大きなインパクトを与えているならうれしい。そして2次のキャンプ地である沖縄・名護市営球場で、その成果を存分見せて欲しい。(朝日新聞社嘱託 衣笠祥雄)

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