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 「おい。松井の同級生」。そう呼ばれていた。

 覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された清原和博容疑者を記者2年目に初めて取材した。小学生の頃から憧れ、野球を本格的に始めるきっかけを作ってくれた人だった。私が松井秀喜と同じ石川・星稜高野球部の出身だと認識してくれてはいたが、名前は覚えてもらえなかった。

 西武から巨人に移籍して2年目のスーパースターと新人記者の関係。とにかく怖かったが、当時は日焼けサロンに通った黒い肌ではなかった。笑うと八重歯がのぞき、若い頃の面影が残っていた。

 球場の通路を歩いて取材していたとき、持っていたバットを落とした。私が拾おうと手を伸ばすと「触らんでいい」。試合で使うバットは触れられたくない、と拒絶された。豪快なイメージばかりが先行するが、繊細さを感じた。

 巨人でシーズンを重ねるにつれ、球界の番長ともてはやされ、耳にピアスの穴をあけるなど装いに変化が出てきた。荒々しい言動が表に出てしまうこともあった。スター選手の多い巨人で、あえて、そういうイメージを作っているように見えた。

 松井のことも意識していたと思う。甲子園の怪物と言われ、ホームランバッター。オリックス時代の言葉が忘れられない。

 度重なる故障に悩まされていた…

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