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 愛知県碧南市で1998年、夫婦を殺害したなどとして、強盗殺人罪などに問われた佐藤浩被告(39)に対する裁判員裁判の判決が5日、名古屋地裁であった。景山太郎裁判長は「殺害の計画性は認められず従属的、短絡的な動機から犯行に関与した」と述べ、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。

 判決によると、佐藤被告は98年6月28日夕、強盗計画を主導した共犯の堀慶末(よしとも)(40)、葉山輝雄(46)の両被告と共謀し、パチンコ店勤務の馬氷一男(まごおりいちお)さん(当時45)を待ち伏せるため屋内に侵入。佐藤、葉山の両被告が妻里美さん(同36)を絞殺した。この事件をめぐり、堀被告は昨年12月、名古屋地裁で死刑判決を言い渡され、控訴している。

 公判で、弁護側は強盗目的の殺害を否認していたが、判決は「パチンコ店強盗のほかに馬氷さん宅の金品を強取することも想定していた」と指摘。「里美さん殺害が、強盗目的を遂げるためであったと認められる」とした。

 さらに翌日未明に帰宅した馬氷さん殺害について、堀被告が背後から首を絞め、「佐藤被告が体を押さえた」と認定した。

 景山裁判長は「被告の生命軽視の態度は明らかで、遺族の処罰感情は当然のもの」としながら、「殺害はいずれも堀被告が主導し、佐藤被告の関与は従たる立場だった」として極刑を回避した。

 判決を受け、名古屋地検の小暮輝信次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とのコメントを発表。馬氷さんの長男一樹さん(25)は「到底納得できる結論ではない。両親の墓前に良い報告ができないのが残念」、次男貴成さん(24)は「検察官に控訴をして頂いて、高裁でさらによく審理をして判断して欲しい」と、それぞれ談話を寄せた。