財務省が8日発表した2015年の国際収支(速報)によると、貿易や投資による日本と海外のお金の出入りを示す「経常収支」の黒字は前年の6・3倍の16兆6413億円だった。原油安による貿易赤字の縮小に加え、訪日外国人による日本での消費が増え、旅行収支が53年ぶりの黒字となったことなどが経常黒字を押し上げた。

 経常黒字が増えたのは5年ぶり。東日本大震災後、火力発電用の燃料輸入の増加で貿易赤字は拡大を続けていたが、15年は原油価格(ドル建ての輸入単価)が前年よりも47・7%下落したため、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の赤字幅は6434億円と、前年の10兆4016億円の約16分の1に縮小した。

 日本企業の海外での稼ぎも好調だ。海外子会社から日本の本社に還元される利益などを反映する第1次所得収支の黒字は前年比2兆6563億円増の20兆7767億円と過去最大になった。海外子会社などから入る「知的財産権等使用料」も2兆4034億円と過去最大の黒字となった。

 外国人の「爆買い」も寄与した。円安などの影響で、日本を訪れた外国人は前年比47・1%増の1973万人と過去最高となり、旅行者によるお金の出入りを示す旅行収支は、441億円の赤字だった前年から一転し、1兆1217億円の黒字となった。黒字は1962年以来だ。

 15年12月の国際収支の黒字幅は前年同月比7348億円増の9607億円で、18カ月連続の経常黒字となった。(石橋亮介)