[PR]

 昨年9月以来、爆発的噴火が収まっていた桜島(鹿児島市)で約5カ月ぶりに2千メートルを超える噴煙が立ち上り、噴火警戒レベルも2から3に戻った。地元の人々の間では「以前に戻っただけ」と冷静な受け止めが広がる。

 桜島島内で、昭和火口から約3キロ離れた鹿児島市有村町に住む農業山下三次郎さん(85)は噴火時、自宅でテレビを見ていた。「ドーンという車の事故のような音がした。久しぶりで少し驚いたが、家も揺れず、活発な時の10分の1くらいの音だった。こんくらい何のこともない。灰もぱらつく程度」と話した。

 対岸の桜島と鹿児島市街地を結ぶ桜島フェリーの市街地側ターミナル。桜島から市街地の自宅へ帰宅途中の会社員山口博さん(54)は船内のテレビで噴火を知った。「桜島にいたが、全く気づかなかった。長く爆発がなく、やっと通常に戻った感じ。静かな方が怖いので、逆に安心しました。鹿児島にとってはこれが普通。県外の人が危ないと思わないかが心配」

 市危機管理課の木口屋博文課長は「長期的にみれば活発な火山活動は続いており、いずれ噴火すると考えていた。もとに戻っただけ」と受け止めている。

 気象庁が昨年11月25日に噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き下げても、市は立ち入りを禁止する警戒区域を火口から2キロの範囲で維持してきた。今回の爆発で警戒の範囲を変えたり、住民避難の準備をしたりはしないという。

 気象庁は今回、2015年9月の阿蘇山(熊本県)以来、2度目の噴火速報を出した。

 噴火速報は14年9月の御嶽山(おんたけさん、長野・岐阜県境)の噴火で多くの登山者が犠牲になったことを受けて始まった。昨年の阿蘇では観光客の携帯電話などにメールが届き、避難に役立てられた。熊本県阿蘇市は噴煙などをもとに速報前に対策を始めていたが、担当者は当時の取材に、「情報をもらえるに越したことはない」と話していた。

 このときは1979年9月以来の比較的大規模な噴火とされ、噴火警戒レベルも2007年のレベル導入以来初めて2から3(入山規制)に引き上げられた。一方の桜島は10年10月以降、昨年11月に2に下がるまで約5年間、ほとんどの時期が3だった。