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 蚊が媒介する感染症「ジカ熱」の拡大が、中南米諸国だけでなく、北米や日本でも問題になりつつある。リオ五輪を前にしたブラジルでは、ジカ熱が原因の恐れがある小頭症の新生児が、疑い例も含めて4千人以上生まれており、政府が拡大阻止に懸命だ。米国は流行地域への妊婦の渡航を控えるよう呼びかけ、日本政府も対策に乗り出した。

 ●小頭症児の母、妊娠中に発症

 「この子は将来、歩いたり話したりできるの? 考えるだけで不安でいっぱいになる」。ブラジル北東部ペルナンブコ州の州都レシフェ。大学病院の待合室でイウダ・ダシウバさん(38)は表情を曇らせた。

 息子のマテウス君は生後3カ月。生まれつき頭部が小さく、医師から脳の発達が不十分な「小頭症」と診断された。「ずっと障害が残ると聞いて落ち込んだ。清掃員の仕事を辞めて面倒を見ていくつもりです」

 ブラジルでは昨年から、蚊が媒介する感染症「ジカ熱」の流行が拡大。同時に小頭症の新生児が相次いで生まれるようになった。小頭症と確認されたり疑いがあるとされたりしたのは、昨年10月以降だけで4千件以上。同州では、最多の1312件に上る。

 イウダさんは妊娠3~4カ月の時、体に赤い発疹ができ熱が出たのを覚えている。ジカ熱に特徴的な症状だ。「当時はわからなかった」と振り返った。当時はまだ、妊婦に注意を呼びかける動きが広がっていなかったという。

 この病院には昨年以降、小頭症の新生児約300人が運び込まれた。レシフェはブラジルでも有数の大都市で、各地から患者がやってくる。医師のマリア・アンジェラ・ホシャ氏によると、小頭症の新生児が特に増えたのは昨年9月ごろから。それまで州全体でも小頭症の新生児は年に10人ほどだったが、一時は2週間で30人に達した。1日4人が運ばれたこともあったという。

 母親らには妊娠中に発疹や発熱の共通点があったことから、ジカ熱との関連性を疑うようになった。ただ、妊娠中に何の異常も感じなかった母親も少なくない。デルラニア・ダシウバさん(18)もその一人。息子のクリスチアン君は妊娠8カ月の検査で小頭症と診断された。「知らずに感染していたかもしれない」と自問する。

 ジカ熱が原因とみられる小頭症には、これまでなかった特徴もある。産婦人科医ペドロ・ピレス氏は「従来の小頭症は妊娠5カ月で診断できたが、8カ月になって初めてわかる場合もある。1度の検査だけで安全と言えなくなった」と話す。

 視力が弱いなど目の異常が見られるのも特徴だ。当初から診察にかかわってきた眼科医バスコ・ブラボ氏は「診断した子の約40%に目の問題が確認できた。我々が知っている小頭症とは異なる症状が出ている」と危機感を募らせる。

 世界保健機関(WHO)は、ジ…

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