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 2011年5月、北海道占冠村でJR石勝線の特急列車が脱線して炎上、乗客ら79人が負傷した事故で、道警が業務上過失致傷容疑での立件を断念する方針を固めたことが捜査関係者への取材でわかった。事前の整備不良と事故の因果関係などを立証するのが困難な上、乗務員の避難誘導にも法的な責任を問えるほどの過失はなかったと判断したとみられる。

 事故は11年5月27日夜に発生。特急「スーパーおおぞら」がトンネルの直前で脱線し、トンネル内で停車して炎上、煙を吸った乗客らがのどをやけどするなどした。乗務員は避難マニュアルなどに基づき乗客を車内にとどめたが、乗客らが自らの判断で車外に脱出、トンネル外に避難した。

 国土交通省運輸安全委員会は13年5月、調査報告書を公表。車輪に基準を上回る傷があり、走行中の振動を招いて床下部品の留め具が落下し、脱線した可能性を示唆した。

 道警はJR北海道本社など関係先を家宅捜索し、整備記録などを押収。車輪の傷の見落としなどが事故の原因となった可能性を視野に捜査を進めてきた。しかし、落下部品が見つからないなど脱線との因果関係や事前の整備状況などから事故の予見可能性を立証するのは困難で、乗務員の対応も法的責任を問えるほどの過失はなかったと判断したとみられる。