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■キャンプの素顔

 「笑顔! おれは笑顔だぞ」「声を出せ、声を!」

 阪神の掛布雅之・2軍監督が6日、高知・安芸キャンプで初めてノックを打った。プロ6年目の森越祐人内野手を相手に個人ノック。いきなりゴロではなく、ライナー性の打球を打ってしまい、「ホームランになっちゃうんだよ」と苦笑したのはご愛敬。森越を右へ左へ動かしながら、テンポ良く打ち続けた。

 森越がギリギリのところで打球を押さえると、「素晴らしい」と大げさに褒める。観客席から拍手が送られれば、「ほら、みんな見てるんだよ」。次のプレーでも拍手すると、「今のは大したことない。あれで手をたたいたらあかん」とファンにも注文をつける。

 再びいいプレーで拍手が起きると、今度は「ありがとうって言いなさい」と観客席に向かってお辞儀をさせた。森越が長めに頭を下げたため、「休んでるんじゃない!」。ファンも引き込んでの練習に、観客席は沸きに沸いた。

 「明るく厳しく」「注目されることで選手はうまくなる」という掛布2軍監督の考えを体現するような個人ノック。「人に見てもらうと、うれしいけど、怖さもある。いい緊張感の中でやることができた」。森越も、気持ちよさそうに汗を拭った。

 掛布2軍監督がジャンパーを脱いで背番号「31」のユニホーム姿になったのは、キャンプインした1日のセレモニー以来。初の週末で詰めかけた1200人(球団発表)に対する最高のファンサービスにもなった。

 30分間、約250球のノックを打ち終え、「ケツが痛いよ」と貫禄が増した腰のあたりをさする。観客席がまた、どっと沸いた。(編集委員・安藤嘉浩