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■キャンプの素顔

 「クワタさーん」。巨人のキャンプ地・宮崎で、ファンの声援が飛んだ。その声に、はにかみながら帽子を取って応える人がいる。ユニホーム姿で背番号は18。まさか……。OBの桑田真澄さん?

 近寄ってみると、グラブを取り出し、おもむろに投球動作が始まった。確かに似ている。が、桑田さんより小柄だ。よく見ると顔も違う。正体は、ものまね芸人の桑田ます似さん(37)だった。「選手やお客さんに覚えてもらうために、東京から自費で来ました」

 キャンプで選手が練習漬けの日々を送るなか、ものまね芸人たちも毎年この時期を心待ちにしている。ます似さんのほかにも、広島の菊池涼介選手をまねる「きもち涼介さん」や、大リーガーの上原浩治選手に似た「スリム上原さん」らが知名度をあげようと、キャンプ地を回っている。

 ます似さんは、5年ほど前に知人から「おまえ、桑田さんに似てるよ」と言われ、本格的にものまねを開始。だが、中学はアメリカンフットボール部、高校は剣道部で野球経験はなかった。桑田さんの本を読んだり野球教室に通ったりしながら投げ方や打ち方、しゃべり方を身につけたという。

 ものまねは、ほくろの位置やひじの手術痕まで細部にわたる。「いまは、PL学園高時代の1983年夏。甲子園の準決勝で池田高の水野さんから高めの球を左翼席に運んだホームランの打ち方を研究中です」。野球解説者として、キャンプの視察に訪れた桑田さん本人とも面会した。「『頑張ってるね』『寒くないか』と声をかけてもらいました」

 夜は宮崎市内の居酒屋などで余興をしながら、生計を立てている。「もっと売れて、自分を通して野球の楽しさをわかってもらえたらうれしい」と、ます似さん。選手だけでなく、芸人にとっても、猛アピールのキャンプが続く。(山口裕起)

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