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 誰もが迎える人生の最終段階。病気が治る見込みがない場合に、医療やケアの方針をどう考えたらいいのだろう。本人の意思を尊重して話し合うように厚生労働省のガイドラインができているものの、実際には多くの課題があるのが現状だ。

 東京都国分寺市の住宅街。2月9日の午後、介護ベッドで休んでいた90代の女性の自宅を医師と看護師が訪ねてきた。

 「こんにちは」。医師の宮崎之男(ゆきお)さんが声をかけると、女性が少し目を開けた。60代の長男夫妻は「開けたね」とにっこり。宮崎さんは「足のむくみはないです。状態はいいです」。

 女性は3年前から新田クリニック(国立市)の訪問診療を受けている。レビー小体型認知症で実際にはいない虫が見えるなどの幻視が出ていた。3年前は車いすで外出することもできたが、その後眠っていることが多くなり、意思疎通も難しくなった。要介護度は最も重い5だ。

 長男は「自宅でみていると毎月、衰えていくのが明らかでした」と話す。さらに、食べ物をのみ込むのが難しくなった。昨年11月、長男夫婦と長女の3人で、新田クリニックを訪ねて宮崎さんと方針を話し合った。

 胃に穴を開けて体外から通した…

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