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 梅毒に感染する人が近年、急増している。特に女性は、2015年では前年の2倍に増えた。妊娠と時期が重なれば、赤ちゃんに感染して先天的な梅毒になる恐れもある。厚生労働省は予防を呼びかけている。

 梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という細菌による感染症で、主に性行為で広がる。性器や唇などにしこり、ただれが起き、進行すると全身に赤い発疹ができる。重症化すると、まひなどを起こすこともある。

 国立感染症研究所(感染研)のデータによると、日本の感染者は1948年には22万人近かったのが、治療薬の開発などで激減。90年代以降は1千人を下回り、ほぼ横ばいが続いていた。しかし、2010年から増加傾向に転じ、昨年は2600人を超えた。

 中でも女性の増加が目立つ。15年10月時点では前年同期比の2倍の574人にのぼった。このうち76%を15~35歳が占めている。

 若い女性に感染が増えると、妊娠している場合、胎盤を経由した胎児への感染が心配される。流産や死産を招く危険に加え、生まれた赤ちゃんが先天性の梅毒になる可能性もある。

 先天梅毒の赤ちゃんは、神経系の障害や肝臓の病気を持っていることが多い。東京慈恵会医科大教授の石地尚興(たかおき)さん(皮膚科)は「発見の時期にもよるが、赤ちゃんの梅毒の治療は難しい」と話す。

 厚労省が標準とする妊婦健診では、妊娠初期(13週まで)に1回、梅毒を含めた性感染症の有無を調べることになっている。その時点で感染がわかれば、妊婦が薬を飲むことで、赤ちゃんとともに完治できる。だが、妊娠中期(14週)以降に性交渉で感染することもある。妊婦が自身で検査を受けない限り、赤ちゃんの感染に気づくのは困難だ。

 また、経済的な事情などで妊婦健診を一度も受けない女性もいる。厚労省は「感染リスクを知ってもらうことが最大の予防策」として、女性を意識したピンクのポスターを新たにつくった。パートナーと一緒に検査を受けることや、コンドームを適切に使うことなどを呼びかけている。