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 米ニューハンプシャー州の予備選挙は、民主・共和の両党で、既成勢力を批判する「アウトサイダー」候補が勝利を収めた。長年にわたって米大統領選を見てきた久保文明・東大教授と現地を歩き、米国に何が起きているのかを探った。

 9日夜、ニューハンプシャー州最大の都市、マンチェスターのパーティー会場。入りきれない人々が氷点下の屋外にあふれる中、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利演説のために姿を現すと、歓声が湧き起こった。この様子を見て、久保さんは語った。

 「排外主義的な発言などで物議を醸してきたトランプ氏ですが、世論調査通りの強さを証明し、有力候補としての地位を固めました。8年前、オバマ氏を当選させた包容力のある米国とは、全く違った顔が表に出てきた気がします」

 久保さんとともにニューハンプシャーに入ったのは、投票3日前の土曜日。夜は、政治マニアが集まるホテルのバーで、共和党候補の討論会を見た。

 隣に座った50歳ぐらいの男性が「サンダース支持だが、トランプに変えるかも」とつぶやくのを聞いて、久保さんはびっくりした。バーニー・サンダース上院議員は「民主社会主義者」を名乗る最左派で、実業家トランプ氏は排外主義的な保守主義者だからだ。両者の間で迷うのは考えにくいが、これは何なのか。

 翌日、トランプ氏の集会を実際に見に行く。1時間ほどドライブで、ホルダーネス町の大学に着いた。

 トランプ氏は拳をふりあげて聴衆を鼓舞していた。「海外に流れた仕事を米国に取り戻す」。トランプ氏はジョークを交えながら、メキシコからの移民や、日本や中国の「為替操作」を批判した。会場の若者から歓声があがる。

 「小話の連続や、根拠の乏しい…

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