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■特集(就活面接の裏側)

 日本の大動脈、東海道新幹線を運営するJR東海は、就職先としても屈指の人気企業です。やはり、鉄道愛にあふれる就活生が有利なのでしょうか。「鉄道の知識は、入社後に身につきますよ」。そう話す人事課の岡本淳さん(26)に採用方針を聞くと、求める人材のキーワードが見えてきました。

 ――面接試験で、重視している点を教えてください。

 「弊社には、リニア新幹線や高速鉄道の海外展開など、広く注目していただいているプロジェクトがあります。しかし、そうした新しい挑戦をするより前に、会社の根幹となるのが、鉄道事業の日々の安全・安定輸送を確保することです」

 「社内でよく言われるのが『1人の10歩より、10人の1歩』という言葉です。1人だけが突出して何かをやろうとしても、ほかのところでゆがみが生まれてしまっては意味がありません。チーム全体で力を合わせ、己の仕事をまっとうできるチームワークが、鉄道事業では必要です。逆に言えば、1人がつまずいたとき、その1人を助けられるマインドをもった人間が必要なのだと考えています」

■仕事への使命感を注視

 ――面接でも、チームワークへの姿勢に注目しているのですか。

 「はい。チームのなかで自分の役割をまっとうできるかどうか、日本の大動脈輸送を担うという使命感をもって仕事に挑めるかどうかは、かなり意識的に見ています。これは事務部門などの総合職でも、鉄道運行の現場を担うプロフェッショナル職でも、変わりません」

 ――採用ページの社員紹介では「39歳にして、名古屋の駅ビル開発に挑戦」という方も登場しています。

 「特に総合職は、会社の経営部門にたずさわることが期待されます。幅広い業務がある会社ですので、ひとつの部門だけのスペシャリストになるのではなく、会社をいろいろな角度から丸裸にしていけるようなものの見方が求められています。そこで、特定の分野に固執し過ぎるのではなく、柔軟性をもって仕事に取り組む姿勢が大事になると思います。ただ、最終的に手がけたい夢や目標は、ぜひ持っていたいですね」

 ――「鉄道が好き」という熱意は、面接で有利になりますか。

 「採用活動では、鉄道を事業としてとらえ、成長に貢献してもらえる人材を広く求めています。鉄道を好きといってくださることはもちろんうれしいですが、大切なのは、組織のなかでどう働けるかという点ですので、そのことが特別有利ということはありません。それに、鉄道の知識は会社に入ってから、かなり勉強しますので、仕事の中で自然と身につきますよ」

■社員懇談会で「風土合うな」

 ――ご自身の、就職活動の体験を聞かせてください。

 「文学部に在籍していて、就職活動でも鉄道業界、インフラ業界にこだわる気持ちはありませんでした。自分の人生をかけてのぞめる大きなプロジェクトにたずさわりたいという気持ちはあって、金融、商社、海運など、いろいろな企業を広く見ていました。OB訪問も30人は会いました」

 「そんな中で、JR東海の社員懇談会に参加したんです。何人もの先輩社員と話しているうちに、風土が合うなと感じました。お互い良きライバルとして刺激し合う関係と、家族的な温かさがあるなと。そこからJR東海を就職先として、真剣に考え始めました」

 ――面接試験では、どのような話をしたのですか。

 「体育会系のラクロス部での経験を話したことが、印象に残っています。私は、スタープレーヤーではなく、けがも多かったんです。試合には出してもらっていましたが、正直あまり上手くなかったです。しかし、どんな立ち位置にいても、自分ができることをとにかく見つけて、主体的に動いていくことがチームの一番の活性化になるという思いがありました」

■背伸びせずに思い伝えた

 ――華々しいエピソードではなかったわけですね。

 「私は料理が得意で、部活の仲間に先輩後輩関係なく、手料理を振る舞っていました。一緒にワイワイがやがやと海外の有名選手のプレーを見たり、自分たちの試合を振り返ったり、ということを楽しんでいました。力を出し切れていない後輩たちもいて、ざっくばらんな雰囲気で話をすることで、彼らの成長につながればと思ったんですね。地味な話ではあるんですが、面接では、組織に対する私の考え方を知ってもらいたかった。それに、背伸びして自分のやっていないような話をしても仕方がない、と考えていました」

 「採用担当者としても、学生時代に『こういう成果を残しました』ということよりも、どういう考え方をもっていて、会社に入って伸びる素地があるかどうかを見ています。あまり『華々しい成果やエピソードを話さなければ』という風にとらわれないで欲しいですね」

 ――就職活動生へのメッセージを聞かせてください。

 「弊社も、学生の皆様から選んでいただく立場です。就職活動の時期ほど、たくさんの企業に目をむけ、いろんな会社に足を運ぶ機会は、なかなかありません。食わず嫌いをせずに、いろいろな会社の話を聞いてみて、自分にあった企業を選んでください」

 「その中で、最終的にJR東海という会社を面白いなと思っていただければ、それほどうれしいことはありません。これからの日本の未来を作っていきたいという気概を持っているかたは、ぜひエントリーしていただきたいと思います」(信原一貴)