オーストラリア政府が計画する次期潜水艦の受注を目指す三菱重工業の宮永俊一社長は11日、シドニーで日本メディアの取材に応じ、「日本の防衛産業の技術力を維持するためにも、友好国との仕事や交流は非常に重要だ」と、受注に改めて強い意欲を示した。

 宮永社長は8日からの豪州訪問で、西部パースや南部アデレードなどで潜水艦を建造する造船施設などを視察し、関係企業幹部らと会合。首都キャンベラでは、豪政府関係者や議員らへ「日本政府や企業と協力し、プロジェクトを成功させる決意や準備ができていると伝えた」という。

 予算総額が4兆円を超えるとされる豪潜水艦計画では、共同開発相手としてドイツ、フランスの企業も名乗りを上げ、雇用創出などで地元経済に貢献するため「豪州国内での建造」をアピールしている。宮永社長によると、訪問中に関係者らから何度も「最初の潜水艦から豪州で建造する用意はあるか」と質問され、「要望があれば喜んで受ける準備がある。柔軟に対応できる」と伝えたという。

 三菱重工業は10、11の両日、地元紙オーストラリアンに、「より安全なオーストラリアのために技術を共有すること」のコピーや潜水艦の写真を付けた全面広告を掲載。宮永社長は「日本はPRが遅れているといううわさもあったようだが、リカバリーしている最中だと思う」と話した。(シドニー=郷富佐子