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 教科書会社が教員に検定中の教科書を見せて謝礼金を支払っていた問題で、「新興出版社啓林館」(大阪市)が2014~15年に公立中学校の校長ら計9人にそれぞれ5千円を渡していたことがわかった。今月5日、啓林館が文部科学省に報告した。

 文科省によると、啓林館は14年12月と15年2月の2回、北海道苫小牧市の市立中学校に出向き、校長と他校も含む教員計9人に、検定中だった中学数学の教科書を見せた。その際、「交通費」として現金を渡した。2回とも同席した校長と教員8人は、いずれも返金したという。このほか、北海道室蘭市で14年12月に検定中の教科書を教員2人に見せていた。

 文科省は、三省堂が検定中の教科書を外部に見せて謝礼を渡していたことを受け、教科書会社に自己点検を要請。1月に調査結果を公表した。小中学校の教科書を発行する22社のうち10社が公立小中の教員ら延べ3996人に現金などを渡していた。啓林館も4人に2千円相当の手土産を渡したと報告したが、今回の件は含まれていなかった。

 啓林館は「支社からの報告がなく事案を把握できていなかった。文科省からの指摘もあり社内調査をした結果、追加報告をすることになった。大変申し訳ない」と説明している。(高浜行人、岡雄一郎)