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 税金を特別に安くする企業向けの「政策減税」の合計額が2014年度、少なくとも約1兆2千億円にのぼることが分かった。減税額は民主党政権時から倍増し、減税の恩恵の約6割を資本金100億円超の大企業が受けていた。まず大企業を後押しして経済の好循環をめざす安倍政権の姿勢が浮き彫りになったが、その「果実」が家計に回っていないのが実情だ。

 政策減税の利用状況について、財務省が11年度分から公表している調査報告書をもとに朝日新聞が分析した。国税の減収額が明らかな項目を合計すると1兆1954億円で、11年度以降初めて1兆円台になった。消費税なら約0・4%分の税収に相当する。民主党政権が税制改正を決めた12年度(5244億円)に比べ2・3倍に増えた。

 減税額が最も大きいのが、企業の研究開発投資に応じて税金を控除(安く)する「研究開発減税」だ。14年度は6746億円で、12年度(3952億円)からほぼ倍増した。第2次安倍政権の発足直後に決めた13年度税制改正で、控除の上限を大幅に引き上げたことで減税額も膨らんだ。

 研究開発減税の恩恵は大企業に集中する。企業数では全体の0・1%にも満たない資本金100億円超の企業への減税額が5423億円と全体の8割を占める。政策減税全体でも資本金100億円超の企業への減税額が7365億円と12年度の2・5倍に増え、全体の62%を占めた。12年度の56%より高まった。

 財務省の報告書で、減税対象の企業名は非公表だ。朝日新聞が大手企業の有価証券報告書などと突き合わせて分析したところ、研究開発減税の適用が多い上位5社は、トヨタ自動車(減税額1083億円)、日産自動車(213億円)、ホンダ(210億円)、JR東海(192億円)、キヤノン(157億円)とみられることが分かった。

 安倍政権は設備投資や賃上げに応じた減税も新設しており、3千億円超の減税になった。うち資本金100億円超の企業への減税額が5割を超えた。(牧内昇平)

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