世界経済の先行きに対する金融市場の動揺が収まらない。12日の東京外国為替市場は、前営業日の10日より大幅にドルに対して円が買われ、一時、1ドル=111円80銭台半ばの円高水準をつけた。東京株式市場は急激な円高などが嫌気され、日経平均株価は一時800円超下落し、2014年10月21日以来、約1年4カ月ぶりに1万5000円台を割り込んだ。

 外国為替市場の円相場は、11日の欧州市場で一時、1ドル=110円台後半をつけ、東京市場でも比較的安全な資産とされる円を買う動きが続いている。12日午後1時は10日午後5時より1円94銭円高ドル安の1ドル=112円94~95銭。日本銀行が1月29日に「マイナス金利政策」の導入を決めた後、一時1ドル=121円台まで円安が進んだが、その後、東京市場では10円ほど円高が進んだ。対ユーロは2円00銭円高ユーロ安の1ユーロ=127円58~59銭。麻生太郎財務相は12日の閣議後会見で、為替市場で急激な円高が進んでいることについて「かなり荒い値動きが見られている。引き続き緊張感をもって注視するとともに、必要に応じて適切に対応していく」と述べた。

 株式市場も大荒れだ。11日のニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均が大幅に値下がりした。終値は前日より254・56ドル(1・60%)安い1万5660・18ドルと、2014年2月上旬以来、約2年ぶりの安値をつけた。米原油先物相場が約12年9カ月ぶりの安値をつけたことや、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が11日の議会証言で、米国や世界景気の先行きに懸念を示したことも売りにつながった。

 その流れを引き継ぎ、東京市場も全面安となっている。12日午後1時の日経平均は、前々日の終値より471円87銭安い1万5241円52銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同43・05ポイント低い1221・91。日経平均の午前の終値は、前々日と比べ838円74銭(5・34%)安い1万4874円65銭。TOPIXは同70・25ポイント(5・55%)低い1194・71だった。出来高は22億4千万株。

 円高による業績悪化が予想される輸出関連株を中心に売り一色になっている。米原油先物価格の下落が続き、「財政難に苦しむ産油国の政府系ファンドが、保有株の売りを加速させた」(大手証券)との見方もある。みずほ証券の鈴木健吾氏は「海外の不安要因が幾重にも重なり、投資家がリスクを回避する動きに歯止めがかからない」と指摘する。

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