新日鉄住金や三菱重工業など鉄鋼・重工メーカーの労働組合が12日午前、会社側に今春闘の要求書を提出し、各企業での交渉が本格的に始まった。労組側は賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)の獲得などを目指すが、会社側は世界景気の減速や足元の金融市場の乱高下で慎重な姿勢を強めている。賃上げがどこまで広がるかが焦点だ。

 東京・丸の内の新日鉄住金本社では、新日鉄住金労働組合連合会の大森唯行会長が、人事労務などを担当する佐藤博恒常務執行役員に要求書を手渡した。

 大手鉄鋼や重工などの産業別組織(産別)、日本基幹産業労働組合連合会(基幹労連)に加盟する労組の多くは、2年に1回交渉する方式を採用する。新日鉄住金の労組は今回、2016年度、17年度にそれぞれ月4千円(前回要求比500円増)の賃金改善(ベア相当分)を求めた。大森会長は「組合員の雇用・生活の安心安定を確かなものにしなければならない。今後の活力発揮につながる月例賃金(月給)の改善に特化して財源投入を求める」と話した。一方の佐藤常務執行役員は厳しい業況を指摘し、「固定的、構造的な負担増につながる施策は極めて厳しいスタンスで臨まざるをえない」と応じたという。

 12日は基幹労連傘下の300以上の労組が要求書を出す見通し。春闘相場に影響が大きい大手製造業では、自動車業界の労組が17日、電機業界の労組は18日までに一斉に要求書を出す予定だ。会社側からの回答は3月16日に出そろい、春闘の最初のヤマ場を迎える。