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 世界遺産アンコールワットがあるカンボジア・シエムレアプで、北朝鮮が2400万ドル(約27億円)を拠出して建設した博物館がオープンした。国交がある両国は閣僚らが互いに行き来するほか、カンボジア国内には北朝鮮国営のレストランもある。北朝鮮は、世界中から観光客が集まる友好国で新たな外貨獲得を図る狙いとみられる。

 「アンコールパノラマ博物館」という名で、昨年12月4日に開館した。目玉は、アンコール王朝の歴史を紹介する「3Dパノラマ」の絵画展示。館内の中央部に円錐(えんすい)形の部屋があり、高さ約13メートル、一周約123メートルの壁の内側にぐるりと、アンコール王朝の歴史や、当時の生活の様子が立体的に描かれている。北朝鮮から63人の画家が来て描いたという。

 遺跡建造の様子をコンピューターグラフィックで再現した映画や、遺跡の立体模型などの展示もある。案内や土産物販売の一部は、北朝鮮から派遣された女性らが担う。

 副館長のイット・チャンダロアト氏によると、来場者数は「多い日で1日150人、普段は30~50人」で、閑散としている。「カンボジアの文化保存機構と協力して作成した展示であり、遺跡見学前の事前学習に役立つ」と来館を呼びかけている。入場料はパノラマ展示が15ドル(大人、外国人)、映画が5ドル(同)、その他は無料となっている。(シエムレアプ=佐々木学)