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 埼玉県所沢市中心部で8日夜に発生した31階建て高層マンションの火災で、消火作業に当たった埼玉西部消防局の消防士が、上層階に水を送る連結送水管につなぐはずのホースを誤って地下向け送水口に接続し、マンションの地下設備の一部が水浸しになっていたことが分かった。

 すぐにつなぎ直したため、消防局は「現時点で消火作業に影響はなかった」としている。だが、地下トランクルーム内にあった住民の荷物などが水浸しになり、住民から抗議も寄せられたという。消防局が損害の状況を調べている。

 消防局によると、住人による119番通報で8日午後8時12分に火災を認知。同15分に消防車などが出動し、現地には同19分に到着した。はしご車が届かない15階で火災が発生したため、消防車を1階西側にとめ、各階まで送水可能な連結送水管にホースをつないで作業した。

 しかし、到着から約1分後に始まった消火活動で、担当消防士が当初、連結送水管でなく地下への散水用の送水口にホースをつなぎ間違えたため、トランクルームのある地下に水が送られた。送水後、15階の現場で水圧が下がったことからつなぎ間違いに気付き、正しく接続し直したという。

 この火災で、出火した部屋の住人の男女2人が煙を吸うなどして軽いけがを負ったが、延焼はなく約5時間半後に鎮火した。消防局警防課の加藤孝昭課長は9日の会見で「10階以上の消火作業は(同消防局では)初めて」「段ボールや人形が山積みされており作業が難航した」などと説明していたが、ホースのつなぎ間違えについては言及がなかった。

 同課は15日の朝日新聞の取材に対し、「水損による被害を現在調査中」と回答。原因について「高層階の消火活動が初めてというのはあった」としている。(戸谷明裕)