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 4月の電力小売り全面自由化を前に、自治体が電力会社をつくる動きが広がっている。朝日新聞の調べでは、全国で13社の設立が決まり、検討する自治体も増加中。地元の太陽光発電などの電気を調達し、大手電力より割安な価格で売る。電気の「地産地消」による地域経済の活性化を狙う。

 福岡県みやま市が55%を出資する「みやまスマートエネルギー」は、九州電力の現在の料金より平均2%安いプランを打ち出し、3年後をメドに市内の全世帯の7割にあたる約1万世帯への販売をめざす。

 電気は主に市内の太陽光発電所から買い、夜間などに足りない分は卸電力市場から調達する。昨秋から市庁舎や地元企業に供給を始め、4月からは家庭向けにも売る。安さの秘密は固定費の少なさにある。常勤社員は社長以下6人。本社は雑居ビルの一室で、家賃は月5万円だ。

 契約者にはタブレット端末を配り、電気の使用状況をもとに高齢者の見守りサービスを始める。ネットで病院やタクシーの予約も受け付け、地元の商店や農家から野菜なども買えるようにして、地域でお金が回る仕組みをつくる。西原親(ちかし)市長は「市内では高齢化が進む。電気を軸にいろんな市民サービスを提供し、地方創生の核にしたい」と話す。

 これまで全国14自治体が計13社の「自治体電力」の設立を決定。秋田県鹿角(かづの)市や奈良県生駒市なども検討を進める。いずれも地元の再生可能エネルギーを、地元向けに供給する「地産地消」だ。鳥取市は「発電事業に参入する地元企業を増やしたい」、北九州市は「安い電気料金で企業誘致につなげたい」という。みやま市以外は、公共施設や企業への販売から始めるが、将来的には家庭向けも視野に入れる。いまは大都市中心の電力販売競争が、地方にも及ぶ可能性がある。

 もっとも、事業の先行きには不…

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