日本銀行が16日から「マイナス金利政策」を始める。導入前から、預金金利の引き下げといった暮らしへの影響が広がり、一般の預金者からは不安の声が漏れる。預ける金融機関を選んだり、住宅ローンを借り換えたりするなど、資産の目減りを防ぐ工夫も必要になりそうだ。

 「マイナス金利政策で、円金利による運用が非常に難しくなる」。三菱UFJ信託銀行が横浜市で開いた顧客向けセミナー。60席を埋めた来場者は、講師のこんな言葉をメモしていた。

 株と投資信託を買っている男性(78)は年初からの株安で数百万円の含み損を抱えた。「マイナス金利政策は期待外れ。焦らず待つしかない」。別の男性(63)は「お金をどこに回せばいいのか。マイナス金利でどういう影響があるのかも見えない」とこぼす。

 年金を収入の柱にする高齢者からも不満の声が上がる。「マイナス金利は、資産を預金として持つ高齢者には何のメリットもない」。東京都内に住む男性(77)は株式も持つが、多くは銀行預金だ。年金は月20万円ほど。病気など将来の不安もあり、無駄遣いは控えているという。

 日銀の新政策には金融市場のプロも手を焼く。SMBC日興証券金融市場部の相原貞和部長は「マイナス金利の導入決定で、わずかな材料で国債価格が激しく動く。どこが落としどころなのか手探りだ」と話す。

 新政策の発表後、利回りが少しでも高いうちに国債を買おうとする銀行の注文が急増したという。9日には長期金利が初めてマイナスになった。相原氏は「初回や2回目の大規模緩和より、今回は政策の効果も含めて先が見通せない」。(津阪直樹、内山修)

■ネット銀行利用検討やローン借り換えを

 個人の預金金利はマイナスにはならないのか。麻生太郎財務・金融相は12日の国会で「金利は銀行が判断するものだが、預金者の利便に供しないといけない」と答弁。金融庁は「利用者保護と利便性確保の観点から、銀行が預金金利をマイナスにするのは問題がある」(幹部)との立場だ。

 ただ、銀行が各種の手数料を引き上げれば、預金者は損をする。資産を守るにはどうしたらいいのか。

 ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんは「大手より金利が高いインターネット銀行や、地銀のインターネット支店での預金が狙い目」と話す。今後も金利は下がる可能性があり、「預金の半分を1年、残りを2~3年の定期にしてもいいのではないか」。最低金利が年0・050%と決まっている個人向け国債も、大手行の定期預金の金利を上回り、利点があるという。

 住宅ローンの借り換えも選択肢…

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