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 大分県杵築(きつき)市で昨年7月、住宅が全焼して子ども4人が焼死した火災で、重過失失火と重過失致死傷の罪に問われている父親で海上自衛官の末棟(すえむね)憲一郎被告(41)=起訴休職=に対する被告人質問が15日、大分地裁(今泉裕登裁判長)であった。末棟被告は、海自でパワハラを受けて精神的に不安定になっていたと証言した。

 被告は以前の勤務地で上司から「死ね」「息をするな」と言われ、家族を侮辱されるなどパワハラを受けたと主張。日中は終始怒鳴られるため夜間に仕事をこなしたと述べ、自殺も考えたと証言した。弁護側は約1カ月前に躁鬱(そううつ)状態の診断を受けていたとした。ただ、弁護側は取材に対し、責任能力を争う意図はないと説明した。

 検察側は、事件の背景について、戻りたくない単身赴任先に自宅から帰る際、妻が見送りに出てこず立腹し、気を引こうと灯油をまいたと指摘している。

 被告の所属先を管轄する海自第31航空群司令部(山口県)は「コメントを差し控える」としている。海自では2014年、護衛艦の乗組員が上司のいじめとパワハラを受け、自殺する事件があった。(鈴木春香)