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 マイナンバー制度の導入に向けた調査業務をめぐり業者から100万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた厚生労働省情報政策担当参事官室の元室長補佐・中安一幸被告(46)の判決が16日、東京地裁であった。入江猛裁判長は「国家の施策への国民の信頼を大きく傷つけた」として、懲役1年6カ月執行猶予4年、追徴金100万円(求刑・懲役1年6カ月、追徴金100万円)を言い渡した。

 判決によると、中安被告はマイナンバー制度など医療や社会保障の情報化政策の企画立案を担当。厚労省が2011年に公募した調査業務について、知人男性が社長を務めていた東京都千代田区のシステム開発会社が受注できるよう取りはからい、見返りに同年11月9日、現金100万円を受け取った。

 中安被告は全国各地の医療の情報化事業などに協力するために自腹で出向いていたといい、入江裁判長は「しかるべき手続きを経ないで出張を繰り返し、交通費などで金銭に困っていた」と指摘。「遊興費目的の犯行ではないが、規範意識の低さは非難されなければならない」と批判した。ただ、被告が反省し、厚労省を懲戒免職になったことなどを考慮し、執行猶予付きの判決としたという。

 公判で検察側は、被告は同社の関係者に事前に公募の内容を漏らし、仕様書や採点表の原案を作らせていた、と指摘。中安被告は裁判で起訴内容を認め、被告人質問で「おごりがあった」と話していた。