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 兵庫県警に詐欺容疑などで逮捕された暴力団組員の男性(47)が、家宅捜索で両親の位牌(いはい)を違法に差し押さえられたとして、県に35万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、神戸地裁尼崎支部であった。田中健治裁判長は「位牌は容疑に関連せず、男性は位牌の還付が遅れたことで精神的苦痛を受けた」と判断。県に11万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2014年5月、住宅ローン会社から現金を詐取したとして逮捕された。西宮署は男性が所属する神戸市内の組事務所を捜索した際、男性のかばんを押収したが、捜索差し押さえ許可状のリストにない位牌が入っていた。判決は、位牌の差し押さえを「やむを得ない」としつつ、容疑に関連しない押収物は速やかに還付しなければならないと述べ、還付に1カ月余りかかったことを違法と認定した。

 兵庫県警の河本博幸・監察官室長は「判決内容を検討し、今後の対応を決めたい」とコメントした。(吉沢英将)