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 神戸市は16日、阪神・淡路大震災の被災者向けに都市再生機構(UR)から20年契約で借り上げた復興住宅で返還期限を過ぎても住み続けている3世帯に対し、公営住宅法に基づいて部屋の明け渡しなどを求めて神戸地裁に提訴し、発表した。借り上げ復興住宅の明け渡しをめぐって自治体が提訴するのは初めて。

 問題の復興住宅は神戸市兵庫区の「キャナルタウンウェスト」1~3号棟で、先月30日、市内で最も早くURへの返還期限を迎えた。神戸市の借り上げ復興住宅は、昨年11月末時点で約2千世帯が入居中。いずれも借り上げ期間は原則20年間で、今後も同様の問題が続く可能性がある。

 訴状などによると、今回の3世帯は市が継続入居を認める条件の「85歳以上」「要介護度3以上」「重度障害者」のいずれにも該当せず返還期限以降も住み続けているとし、速やかに部屋を明け渡すと共に、期限後から明け渡しまでの家賃相当額(月額約10万円)の支払いを求めている。

 3世帯は「入居の際に20年の期限を知らされなかった」と反発。市側はこの事実を認め、「震災当時の説明に不備があったのは確かだが、継続入居を認めれば不公平が生じる」と理解を求めてきた。