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■キャンプの素顔

 ヤクルトに新加入した鵜久森が、定位置奪取に燃えている。昨オフに日本ハムから戦力外通告を受け、2球団目のユニホームで再出発を切っている。

 17日の全体練習後の室内練習場。ティー打撃を志願した鵜久森に杉村チーフ打撃コーチがつきっきりでトスをあげた。鬼気迫る表情でバットを振る姿に今季に懸ける強い決意がにじむ。

 鵜久森の名前を一躍有名にしたのが、愛媛・済美高での活躍だろう。高校屈指の強打者として創部3年目のチームの4番に座り、2004年の選抜で初出場優勝、同年夏の選手権でも準優勝に導き、その年のドラフト8巡目で日本ハムに指名された。189センチの長身を生かした長打力が魅力だが、プロの壁は厚かった。

 周囲からは「未完の大器」「将来の4番候補」などと期待されたが、1軍最多出場は11年の42試合。日本ハム11年間で6本塁打にとどまった。「可能性がある限りやろう」。トライアウトを受け、外野の強化を図るヤクルトに拾われた。

 入団して衝撃を受けたのが、バレンティンのパワーだったという。柵越えを連発する姿を間近で見て「ああいう人こそ長距離打者。自分は中距離打者」と改めて自身の立ち位置を気づかされた。「一塁でも外野でも出られるチャンスがあるなら」と長打にこだわらず、広角に打ち分ける確実性を磨いている。

 ヤクルトには、高校時代の恩師・故上甲正典監督が宇和島東高(愛媛)時代に指導した岩村ら同郷の先輩が活躍した縁もある。キャンプ初日に29歳の誕生日を迎え、「拾ってもらった恩がある。真中監督を胴上げできるよう、しっかりアピールして、自分の居場所を見つけたい」。プロ12年目での覚醒を誓う。(甲斐弘史)

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