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 金の密輸事件が急増している。財務省関税局がまとめた2014年7月~15年6月の金密輸事件(処分数)は177件で前年の22倍、脱税額も前年比8倍の約2億4千万円で、ともに過去最多。関西空港経由の密輸も大幅増で、背景には、消費税が8%になり、入国時に申告せず売却すると得られる「利益」が増えたことがある。

 1月14日、関西空港税関支署が入る合同庁舎の一室で金の延べ板130枚が公開された。関空開港以来最多の金密輸事件の押収物だった。

 発端は昨年2月14日。関空の税関検査場で職員が、香港から到着した男女4人のグループに目をとめた。「随分重そうだな」。手荷物受け取りのターンテーブルから、複数の布袋を2人がかりで降ろしていた。

 申告は「化粧品」だったが、八つの袋の中にあった段ボール箱には金の延べ板(6億円相当)と腕時計(4億6650万円相当)があった。申告しなかった消費税額は計約8560万円。税関や大阪府警による約1年の捜査を経て、今年2月、計9人が関税法違反などの罪で起訴された。

 購入額が20万円を超える金は、税関に申告して8%の消費税を納める必要がある。ただ、ここを「素通り」して国内の貴金属店などで売れば、消費税分が上乗せされた代金を受け取れる。関空税関支署の担当者は「密輸は14年8月ごろから増えてきた」と話し、14年4月に消費税が8%になったことが原因とみる。同支署の14年7月~15年6月の処分数も42件(前年2件)で過去最多だった。

 金そのものも値上がりしている。貴金属製造販売大手の田中貴金属工業(東京)がホームページで公開している参考小売価格(税抜き)によると、05年の平均は1グラム1619円だったが、15年は同4564円。広報担当者は「短期的には世界経済の変動で上下するが、5年、10年で考えるとかなり上がった」。

 密輸急増を受け、同社も加盟する日本金地金流通協会は昨年末、輸入の金延べ板を買い取る際は「税関で消費税を払ったことを証明する書類を確認する」などとする文書を会員宛てに出した。ただ、同協会の会員は200余りで、「全国で金を扱う業者がどのくらいあるのか把握できていない」という。業界の関係者は「金の所持や売買は違法じゃなく、売買現場で密輸を発見するのは難しい」。

 関税局が公表した177件の密…

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