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 黒沢清監督の最新作で、西島秀俊さんが主演のサスペンス・スリラー「クリーピー 偽りの隣人」がベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映されました。「クリーピー」は英語で、「身の毛のよだつ、ぞっとする気味の悪さ」という意味。西島さんと竹内結子さんが演じる夫婦を、徐々に追い詰めていく隣人役の香川照之さんの怪演に圧倒されます。日本では6月18日に公開です。

 前川裕さんの小説が原作。元刑事で現在は大学で犯罪心理を教える高倉(西島)は、元同僚とひそかに6年前の一家失踪事件を調べています。高倉が妻の康子(竹内)とともに引っ越しをすると、その隣家には西野(香川)と病弱な妻、中学生の娘が暮らしていました。夫妻は西野の言動にかすかな違和感を抱きます。ある日、西野の娘から「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と告げられて……。

 公式上映に先立ち開かれた会見で、監督は「現代人なら、誰でもごく身近なところに意外な盲点がある。誰にでも身近に感じる恐怖心を題材にしたとてもすばらしい原作で、ぜひ映画化したいと思いました。身近な悪と格闘し、どうやって日常を戻していくのかを葛藤する主人公を描きました」と語りました。

 黒沢監督、西島さんでタッグを組んだ「ニンゲン合格」は、1999年のベルリンで上映されています。西島さんは「その時は僕はベルリンに来ることはできなかった。あのとき28歳で、今44歳ですから……。今回、黒沢監督につれてきていただいてうれしいです」と語りました。物語の内容にも触れ、「日本で実際に起きたある事件を参考にしています。非常に気味の悪い毒々とした事件だから、肉体をもった生身を感じる映画になった」と手応えを話しました。