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 清酒メーカー最大手の白鶴酒造(神戸市東灘区)が3月、米作りから醸造まで自社で一貫生産した新酒の販売を始めた。これまで原料となる酒米の栽培を任せてきた契約農家が高齢化。日本酒の高級志向で「山田錦」など特定の酒米に人気が集中し、安定供給に不安が出てきたためだ。社員が直接田んぼを耕し、ワインの「シャトー(醸造所)」のような酒造りを目指す。

 同社は毎年、約1万トンの酒米を全国約3千軒の契約農家から調達しているが、その多くが70代という。一方で、近年は国内外で純米吟醸などの高級酒人気が続き、酒米の最高峰とされる兵庫県産の山田錦は、各地のメーカーに引っ張りだことなっている。

 そこで2011年、兵庫県内で農地を借り、社員による自社栽培を試験的にスタートさせた。昨年、「農業事業部」を作り、子会社の農業法人「白鶴ファーム」(兵庫県篠山市)を設立。耕作面積を計11・5ヘクタールに倍増させ、篠山市と兵庫県多可町、神戸市北区で山田錦と、山田錦をもとに同社が開発した「白鶴錦」の自社栽培を本格化させた。中小の蔵元では、「醸し人九平次」で知られる萬乗醸造(名古屋市)が兵庫県西脇市内で酒米を栽培するなどの例はあるが、大手が本格的に取り組むのは初めて。

 今年1月には、自社栽培米だけ…

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