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 トルコの首都アンカラの中心部で17日夕、大きな爆発があった。トルコ政府によると市民と兵士合わせて少なくとも28人が死亡し、61人が負傷して病院に搬送された。現場周辺は政府や軍の施設が集中し、常に厳重な警備態勢が敷かれている場所だけに、トルコ政府が受けた衝撃は大きいとみられる。同政府は軍関係者を標的にしたテロ攻撃とみているが、今のところ犯行声明などは出ていない。

 爆発後、トルコ軍は「午後6時31分、トルコ軍職員を乗せた車両に対し、テロ攻撃が行われた」と発表した。

 現場は軍の参謀司令本部から約300メートル、国会や内務省からは約500メートルで、首都の中枢といえる場所だ。地元メディアによると、帰宅する兵士らを乗せたバスの車列が交差点で信号待ちをしている時に近くで爆発があった。6台の車列に爆発物を積んだ車が接近して爆発したとみられる。クルトゥルムシュ副首相は「周到に計画された犯行だ」と述べた。

 ダウトオール首相は予定していたブリュッセル訪問を取りやめ、同様に18日のアゼルバイジャン訪問を中止したエルドアン大統領と共に治安会議に出席。エルドアン氏は「トルコは正当防衛の権利を、いつ、どこでも、どんな状況下でも行使することをちゅうちょしないと知るべきだ。トルコはこの攻撃を乗り越える。攻撃を操っている者と戦い続ける」とするコメントを出した。

 トルコ軍が過激派組織「イスラム国」(IS)に対するシリア領内での空爆と、トルコ南東部でクルド系非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)の掃討作戦を始めた昨夏以降、トルコでは市民や治安関係者を狙った爆弾攻撃が相次ぐ。

 アンカラでは昨年10月、アンカラ駅前で連続爆発があり、市民ら103人が死亡し、240人以上が負傷する「トルコ共和国史上最悪のテロ事件」が発生。先月12日には最大都市イスタンブールの人気観光地でも爆発があり、ドイツ人観光客11人が死亡した。トルコ政府は両事件はIS信奉者による犯行としている。

 また先月13日には、南東部ディヤルバクルの警察署前で自動車爆弾が爆発。警察と武装集団が銃撃戦となり少なくとも6人が死亡した。トルコ政府はこの事件はPKKの犯行とみている。(アンカラ=春日芳晃、カイロ=翁長忠雄)