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 塗料大手の日本ペイントホールディングス(HD、大阪市)の営業秘密流出事件で、愛知県警に不正競争防止法違反の疑いで逮捕された元役員の橘佳樹容疑者(62)が、遅くとも2011年から社内のサーバーにアクセスして社外秘情報を印刷し、繰り返し持ち出していたとみられることが捜査関係者への取材でわかった。県警は、逮捕容疑以外の情報も流出していないかどうか調べている。

 橘容疑者は、塗料の製法に関する営業秘密が保管されたサーバーにアクセスして内容を印刷。これを元にパワーポイントを使って別の文書にデータを入力し、13年1月ごろにUSBメモリーに保存して持ち出した。同年4月に日本ペイントと競合関係にある菊水化学工業(名古屋市)に転職し、同じ時期、不正に利益を得るため、データを複数の同社社員に伝えた疑いがある。

 橘容疑者は逮捕後、容疑を否認している。

 県警や日本ペイントHDによると、橘容疑者は10年4月にHDの子会社「エーエスペイント」(愛知県豊明市)に役員として出向。橘容疑者には出向後も営業秘密が保管されたサーバーへのアクセス権が与えられていた。

 捜査関係者によると、橘容疑者は子会社の役員だった11年ごろには、HDの社外秘情報を印刷し、持ち出していたとみられるという。

■相次ぐ流出、罰則強化

 企業秘密の外部流出が後を絶たない。経済産業省が2012年に実施したアンケートでは、回答があった約3千社のうち13・5%が「過去5年間に営業秘密の漏洩(ろうえい)が明らかにあった」「おそらくあった」と回答した。