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 東京・渋谷駅近くの商店街にある11階建てのビルがこの春、取り壊される。東京都が63年前、国内で初めて販売した分譲マンションだ。老朽化が進み、住民らに惜しまれながらも建て替えが決まった。

 「変化する渋谷駅周辺の街が窓から見え、刺激を受けた。永住するつもりだったので当初は建て替えに反対だった」。1969年から今年2月まで暮らした関根きみさん(81)は話す。

 35歳から10階の角部屋に一人で暮らし、60歳の定年まで港区の商社に通勤した。入居当初、約5キロ離れた竹芝桟橋から客船の汽笛が聞こえた。「当時は周囲に音を遮る高いビルが無かった。風情があり、すてきでした」

 鉄骨鉄筋コンクリート11階建てのマンション「宮益坂ビルディング」。公益財団法人日本住宅総合センターによると、東京都が53年、国内で初めて分譲マンションとして販売した。戦後の復興が進み、高度経済成長期に移る直前で、NHKがテレビの本放送を始めた頃だった。

 1階に店舗、2~4階に事務所、5階以上に住宅70戸が入った。販売価格は和室の2DK(約34平方メートル)で100万円前後。マンション建て替え組合理事で、母親が住んでいた満田照世さん(69)によると、当時はエレベーターで青い制服と白い手袋姿の女性が案内した。セントラル方式による暖房、ダストシュート、ガス風呂、水洗トイレなど当時の最新設備を備え、銀行の支店長や大学教授らが住んでいたという。

 朝日新聞東京版(52年11月…

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