家族や人の生死といったテーマを突きつめた作家の津島佑子(つしま・ゆうこ、本名津島里子〈つしま・さとこ〉)さんが18日、肺がんで死去した。68歳だった。葬儀は近親者で営まれる。喪主は長女香以(かい)さん。津島さんは作家の太宰治の次女。

 東京都生まれ。1歳のときに父が死去した。北杜夫さんや佐藤愛子さんが参加した同人誌「文芸首都」に白百合女子大在学中から加わり、1972年には「狐(きつね)を孕(はら)む」で芥川賞候補となって注目を集めた。NHKの連続テレビ小説「純情きらり」の原案になった「火の山―山猿記」(98年)は谷崎潤一郎賞と野間文芸賞、「笑いオオカミ」(2000年)は大佛次郎賞を受賞した。作品は各国語に翻訳され、高く評価されていた。

 湾岸戦争があった91年には、作家の中上健次さんや評論家の柄谷行人さんらと「日本国家が戦争に加担することに反対」する声明を発表。近年も東日本大震災を受けて書いた「ヤマネコ・ドーム」(13年)など、精力的に執筆を続けた。08年度から14年度まで、朝日賞の選考委員を務めた。