【動画】東京・元赤坂の東宮御所で、水問題について話をする皇太子ご一家=宮内庁提供(音声はありません)

 皇太子さまは23日に56歳の誕生日を迎え、これに先立ち、東京・元赤坂の東宮御所で記者会見した。間もなく発生5年を迎える東日本大震災について「多くの方々が依然として厳しい環境の中で暮らしておられることに心が痛みます」と述べ、雅子さまとともに「被災地の復興に永(なが)く心を寄せていきたい」と語った。

 昨年の戦後70年の節目に関連し、戦争に関する展示や話を見聞きする中、「歴史の教訓に学び、このような痛ましい戦争が二度と起こらないようにしなければならない」との思いを強くしたと言及。国内外で慰霊を続ける天皇、皇后両陛下の姿に「平和を思うお気持ちをしっかりと受け継いでまいりたい」と述べた。

 また、ご一家そろって両陛下から疎開した話など戦時中のことを聞く機会があり、「とてもありがたいこと」だったと振り返った。

 雅子さまの療養については、依然として体調に波はあるが、活動に見合う形で回復してきているように感じている、と紹介。「焦らず慎重に、少しずつ活動の幅を広げていってほしい」と述べた。

 学習院女子中等科2年の愛子さまの学校生活については「交友関係も更に広がり、日々充実した学校生活を楽しんでおります」と明かした。愛子さまの今後には「様々な経験を積み、自分の望む道をしっかり歩んでいってほしいと思います」と述べ、その過程で「皇族の務めについても理解を深めてくれれば」と願った。(島康彦、伊藤和也)

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 皇太子さまは23日、56歳の誕生日を迎え、これに先立ち記者会見に臨んだ。全文は次のとおり。

【宮内記者会代表質問】

(問1)この1年を振り返り、印象に残った公務や社会、皇室の出来事についてお聞かせください。

【皇太子さま】この1年を振り返ると、5月の口永良部島新岳での噴火や、9月の台風18号等による茨城県、栃木県、宮城県での豪雨など、引き続き数多くの自然災害が発生しました。海外に目を向けても、史上最大規模と言われたエルニーニョ現象の影響もあり、世界各地で多くの洪水や干ばつが発生したほか、ネパールや台湾では大地震が起こるなど、人々に甚大な被害を及ぼしました。このような自然災害によって被害に遭われた方々のご苦労はいかばかりかと思うと、大変心が痛みます。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。

 今年の3月には、東日本大震災が発生して5年になります。昨年10月、雅子とともに、福島県を2年ぶりに訪問し、復興の進捗(しんちょく)状況を見る機会を得ましたが、復興の道のりはまだ長く続いていると改めて実感いたしました。一方で、風評に負けず質の高い野菜を生産し販売網を拡大しているいわき市の農産品会社の方や、震災発生後、故郷を離れ、住む場所を転々とするなど苦労した若い人たちを中心に、震災前よりも一層輝く福島県を創り出そうとしている人々の姿を実際にこの目で見て、大変うれしく、そして心強く思いました。引き続き、雅子とともに、被災者お一人一人の悲しみやご苦労に思いを寄せ、厳しい環境の下で暮らす被災者の健康とお幸せを祈りながら、被災地の復興に永(なが)く心を寄せていきたいと思っております。