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 安倍晋三首相は19日の国会質疑で、衆院の議員定数削減について、昨年の国勢調査の結果に基づいて早期実現を図ると表明した。夏の参院選に向けて「改革に消極的」との批判をかわす狙いがある。一方の野党は同日の5党党首会談で「安保法廃止」を旗印に選挙協力を進める方針を確認。参院選に合わせた衆院解散もにらみ、与野党の駆け引きが激しくなってきた。

 19日の衆院予算委員会。自民党の現首相と、民主党の前首相が3年3カ月ぶりの論戦に臨んだ。

 野田佳彦前首相「4年前にやり残したことに決着をつけなければならない。約束を覚えていますか」

 安倍首相「今度の簡易国勢調査で区割りを改定する際に定数10減をしっかり盛り込んでいきたい」

 野田氏が指摘した「約束」とは、衆院の定数削減のことだ。2012年11月、首相の野田氏は、野党・自民党を率いる安倍氏との党首討論に臨んだ。衆院解散を迫る安倍氏に、野田氏は定数削減を含む選挙制度改革の実現を要求。両者は13年の通常国会で定数削減と選挙制度の見直しを行うことで合意し、直後の解散・総選挙で民主は敗北、政権は自民に移った。だが安倍政権下で、この合意はいまだに実現していない。

 19日の予算委前、野田氏は「約束が違うとガツンとやってやる」と周辺に語り、12年の論戦を持ち出して首相を追及する構えを見せていた。

 だが、野田氏を警戒する首相側は先手を打っていた。首相周辺は18日、野田氏が19日午後に質問に立つと知ると、19日午前に質問する自民の田村憲久氏に定数削減の質問をするよう連絡。首相は田村氏への答弁で「定数10削減は必ず実現する。20年の国勢調査まで先送りすることは決してない」と表明。15年の国勢調査に基づいて定数削減を実施する方針を示した。

 官邸側は元々、首相自らが選挙制度の抜本改革に消極的な自民党案の見直しを打ち出すシナリオを描いていた。参院選に向け、民主党などが「約束違反」を批判するのを見越し、首相が「身を切る改革」に踏み込む姿勢を見せることで追及をかわすのが狙いだった。

 政権にとっては、最高裁が直近…

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