■子どもと貧困 学校で

 2月上旬、昼食後の5時間目。20人近い生徒の多くが睡魔と闘っていた。あくびをしたり、ほおづえをついたり。机に突っ伏している生徒もいた。

 「起きやー」。担当の女性教諭(44)が一人ひとりに歩み寄り、声をかけた。「ずっと寝てたらくすぐるで」「寝過ぎて人生ドヤ顔みたいになってんで」。教材に用意したクロスワードパズルを持ちかけると、教室はにぎやかになった。

 関西の全日制のこの高校は、4人に1人が生活保護世帯。終業後に夜遅くまでアルバイトをして、家計を支える生徒は少なくない。

 かつて在籍していた少年もそうだった。入学当初、鋭い目つきでにらみ、大人への不信感を隠そうとしなかった。話しかけても無視された。そんな子を見ると闘志がわく。笑わせたくなる。生徒たちから「ザ・おばちゃん」と呼ばれる元お笑い芸人志望の意地だ。

 毎日のように声をかけると、徐々に変化が表れた。学校に来ると「今日は来たで」と笑顔を見せるようになった。

 少年は、心の病と借金を抱える母と2人暮らし。ほぼ毎日、飲食店でバイトした。学校での笑顔にも疲労がにじんでいた。女性教諭は教頭、学年主任、担任、NPOのスタッフと支援策を検討。少年が欠席すれば連絡を入れ、バイトを減らすように勧めた。

 少年が選んだのは、学業の断念だった。「勉強するより、働いてお母さんを支えたい」と。翻意を促したが、意思は固かった。中退したいまも、女性教諭は様子を見に夜のバイト先に顔を出す。学ぶ意欲があれば、通信制高校もある。いつでも相談にのるつもりだ。

 現在1年生の少女(16)はバイト漬けで、たびたび遅刻する。「やる気ない度、テストしよか?」。ツッコミを入れると、笑って背筋を伸ばした。

 終業後の午後3時過ぎ、少女は自転車で家路を急ぐ。私服に着替えてアルバイト先の洋食屋へ。午後10時まで店に詰め、深夜に帰る。

 小2の時に両親が離婚。母、弟…

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